“校正”は一度技術を身につけれ
ば,経験・年齢とともにチカラ
が深まるので,仕事の依頼で
とくに年齢が制約される
ことはありません.


出版社・新聞社をはじめ,企業・
団体や学校・家庭でのさまざま
な文書・広告・印刷物にかか
わる仕事にも“校正”は欠
かすことができ
ません.

 
書籍・雑誌や広告・パンフレット
などの“校正”では,大勢の
女性が活躍しています.さら
に自宅校正でチカラを発揮
している方もたく
さんいます.







 
日本エディタースクール


 

 


西村さんは一般企業に3年勤務した後,志望していた校正者に転職し,今はフリー校正者として,複数のクライアントの仕事を受けています.


──校正者をめざしたきっかけは?

もともとなにかの職人になりたいと思っていました.また子どもの頃からたくさんの本を読んできましたので,出版の世界には興味があり,その中でも校正は職人的な仕事として自然に意識しました.

──就職活動はどうやって?

スクールでの受講を終えた後,就職相談室を通して,出版社で校正者として2年間働きました.その後偶然ウェブサイトで見たある出版社のフリー校正者募集に応募して採用されました.そのほかに,以前の勤務先の知り合いから仕事が入ってくることもあり,現在定期の仕事だけで3つ持っています.また,締切などの都合がつけば別の仕事を受けることもあります.

──現在の仕事の内容は?

定期の仕事として引き受けている,ある雑誌の校正は,出社しての勤務です.限られた時間内での作業ですが,校正チームの中で担当が割りふられ,一つの記事に対して最低3名眼を通すシステムになっています.デザインの体裁上の確認,データの流し込み位置の確認をして,あとは内容の確認に一番時間を使います.スポーツ系の雑誌ですので,選手名や所属チームなども含め,記事の内容を資料でひとつひとつ間違いがないようチェックしていくのです.チームのなかで,それぞれに得意分野などもあるので,お互いの知識で協力しあって作業を進めていくこともあります.

──校正者として心がけていることは?

校正は自分との勝負です.ここまで調べたらそれでいい,という妥協点を自分に認めてしまってはそこまでです.また,正解が一つでもありません.人と同じ見方では見つけられない間違いや疑問点もあるので,校正者の数だけ違う到達点があるといってもいいと思います.職人といえる域に達するにはまだまだだけど,この仕事を長く続けていきたいと思っています.
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坂井さんは40歳を過ぎてから,それまでほとんど知らなかった校正者を志し,スクールでの学習,検定合格を経て,現在は地元関西で在宅校正者として活躍しています.


──現在の仕事の内容は?

東京にある学術系出版社の在宅校正の仕事をメインでやっています.遠方とのやりとりですが,校正の方針は理解できていますから,はじめに個別の注意などを電話,メールなどで確認すれば,あとは作業をして締切までに送り返すだけです.そのほかに,スケジュールなどを考えあわせて単発の仕事を受けています.また,最近は地元の出版社からも話があって,これは定期的な仕事に発展していきそうです.

──仕事はどのように見つけましたか?

校正検定〈四級〉に合格したところで,〈三級〉合格のための勉強と人脈づくりに,一時的に東京に居を移しました.このあいだにスクールへの求人から,今の在宅校正の仕事を見つけたのです.また校正者同士の交流にも積極的に参加しており,このときご縁のあった人たちからも仕事のお話や情報をいただくことがあります.

──地元での仕事の状況は?

今のところ仕事の話が複数あるため,特に求職活動をするということはありません.量をこなすよりも質の高い仕事で評価されるようになりたいと考えているため,お断りすることもあります.校正は,出版社だけでなく,例えば論文を多く作る大学のようなところなどでも必要とされていますし,この辺の需要も拾えれば,もっと仕事はあるのではないかと思います.いずれ近辺の校正者と共に,うまく仕事を分担できるようなネットワークを築ければと考えています.

──校正者としてのやりがいは?

今はコンピュータやインターネットの発達で,読書環境や本づくりの工程も変化の大きい時代ですが,やはり質の高い出版物が生み出され続けることは大切なことです.次世代を育てる質の高い本作りに,校正者として携わっていることに誇りを感じています.
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清水さんは,出産を機に一度退職しましたが,その後スクールでの学習を始め,現在は家庭とのバランスをうまく取りながら仕事を再開しています.



──受講を決めた理由は?

子供の頃からずっと本づくりに興味があり,出産前までも広告代理店などで印刷物を作る仕事には関わってきました.そして,出産後もこの仕事を続けたいと思っていたのですが,年齢的なことも含めて不安がありました.そこで一度ちゃんと勉強をして資格も取り,求人情報を利用して就職したいと思ったのです.

──現在の仕事の内容は?

スクールで紹介された会社でPR誌の制作に携わっています.校正者としての採用だったのですが,進行管理や場合によっては原稿のリライトなど,全体の流れを見ながら仕事をする立場になっています.このほかに,やはりスクールで紹介された会社から,ときおり在宅校正の仕事をいただいています.

──家庭との両立はどのように?

面接の際に,小さな子供がいること,また扶養家族であることなどを伝えて,勤務時間を設定してもらいましたので,基本的には週3〜4日の勤務です.また,幼稚園へのお迎えに行かねばならない日は,5時頃には仕事を上がらせてもらっています.夜は,10時までには家族が寝てしまうので,あとは自分の自由な時間として,在宅校正の仕事があるときにはそれをしたり,また気分転換にあてたりしています.

──仕事のやりがいと今後の希望は?

PR誌の仕事は,現場に出て全体を見渡せるからこそわかることもありますし,人と接することでこちらが磨かれるということもあります.締切前のあわただしさも含め,たくさんの人が活動している雰囲気は好きです.ただ,自分としては,本当はもっとじっくり長期的に取り組む仕事が向いている気がしています.いずれ子供も大きくなれば家庭の状況も変わってくるでしょうから,仕事をするスタイルも違ってくるでしょう.いずれは,校正の仕事にしぼって本づくりに携わりたいと考えています.



 

 














































日本エディタースクールには,校正を学べる複数のコースがあります.
希望の学習スタイルや時間帯から受講コースをご選択ください.
*1 校正技能検定〈初級〉認定
*2 校正技能検定〈中級〉受験資格
*3 就職相談室登録資格
※2011年4月より、級の呼称を変更しています(三級・四級・五級より上級・中級・初級へ.第130回試験まで旧呼称で実施しました).


時間帯
コース
初級
*1
中級
*2
就職
*3
全日制 校正者養成専門コース
夜間講座 夜間講座 総合コース
夜間講座 夜間講座 校正コース
土曜講座 校正教室
通信講座 通信講座 校正コース
通信講座 通信講座 校正フレックスコース

通学のコースも通信のコースも,その学習内容と範囲,使用テキストは基本的に変わりません.ただ,通学コースの方が実習量も多く,学習のしやすさの面でも勝っているといえます.通学の場合は,日程のご都合に合わせてコースを選択されるとよいでしょう.
校正技能検定の合格率は,通信教育部校正コース修了者と通学コース修了者とで大きな違いはなく,最後まで学習を続けられれば十分に力はつくといえます.ただ,修了率は通学コースよりも低く,一人で学習のペースを作り,維持していく難しさはあるでしょう.

























コースの修了や試験の合格で,校正技能の証明となる資格を得ることができます.
資格は就職活動の際の助けになります.

校 正 技 能 検 定
初級
中級
上級
各種教育機関において指定単位科目を修了すれば認定されます.上記の全てのコース*で認定を受けることができます.
*出版編集を除く
年2回,東京の会場で行われる実技試験・学科試験の合格者に認定されます.基本的な校正技術を習得された証明になります. 年1回,中級試験合格者のみを対象に行われる実技試験・学科試験で認定されます.実務者レベルの技能を持つ証明になります.

一般に校正者の募集は経験者を求める場合が多く,実務未経験者はスクールでの学習などを経験に替わるものとしてアピールすることになりますが,資格は,学習を修了したというだけでなく一定の技能を持っている証明として,選考の際の評価の対象になり得ます.
コース修了で,合格のために必要な知識・技能は学んだことになりますが,検定対策のための講座・教材として,校正検定訓練教室,問題集なども用意されています.また,ご自身でも漢字の読み書きなど,国語的な知識の確認をされるとよいでしょう.




































































修了後は一般公募される求人のほかに,エディタースクールだけに寄せられる多数の求人を対象に,就職活動を行うことができます.
校正の求人48社138人の内訳は下の円グラフをご覧ください.

*2015年4月〜2016年3月の総求人数120社274人のうち50%を校正者が占めています.

業 種
年齢上限


実務経験
雇用形態

校正の講座を修了した方が採用された会社
*公開可能な会社から
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出版社
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(株)ベネッセコーポレーション(高校講座事業部)
(株)早稲田大学出版部
(株)学研メディコン
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編集プロダクション・校正プロダクション
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(有)木耀社
(有)文字工房燦光
(有)天人社
(有)ペーパーハウス
(有)くすのき舎
(有)ヴェリタ
(株)ディ・アンド・ワイ
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PR誌・DTP・Web制作会社,印刷会社
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(株)ライトアップ
(株)RUHIA
(株)ピー・アンド・アイ
(株)モリヤマ
………………………………………………………………
広告代理店・一般企業・その他
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(株)京王エージェンシー
ジェネオン エンタテインメント(株)
(株)プラップジャパン ほか

年齢不問と46歳以上でも応募できる求人が5割以上あります.また実務経験も不問の割合が多くなっています.校正は,年齢より実力が評価対象です.校正をやりたい気持ちがあり,根気よく緻密な作業ができる自信があれば,可能性は十分にあるといえます.
スクールへの求人の多くは出版社の集中する東京からのものですが,東京以外からの求人も常時何社かあります.こういった情報も参考にしながら,お住まいの近くで,出版社・編集プロダクション・印刷会社・DTP制作会社などの求人をあたってみてください.


 

 
校正の確認事項と作業内容をご紹介します.
編集者や出版社から校正の依頼を受けます.仕事の内容や期日・方針なども打ち合わせで確認します.

原稿と校正刷を引き合わせて1字1字確認します.文字の間違いのほか大きさ・書体・組方など注意点は多岐にわたります.

校正者の訂正や疑問点を編集者が整理し,印刷所やDTPオペレーターに戻され,赤字部分が直されます.

再度出力された校正刷りで赤字部分が正しく直っているか確認します.さらに訂正があれば3の工程を繰り返します.

訂正がなくなり編集作業を終えると,印刷・製本され,校正した本や雑誌が書店に並びます.



 

 
校正者として働く実際について,
またスクールの講座について
よくいただくご質問をまとめました.
校正の基本は,文章を読むのではなく,一文字一文字を確認していくことです.それには根気と集中力が必要になります.また,知らない文字,知らない記述があれば確実に調べることが大切です.どんな内容の文章にも好奇心と探求心を持てる人がよいでしょう.
求人誌紙やネット上の情報も有用ですが,一般公募の求人は経験者募集が多いので,初めはスクール宛の求人から探されるとよいでしょう.一度仕事を始められれば,別なクライアントを紹介されるなど,人脈とともに仕事が広がっていくこともよくあります.
まずはクライアント(多くは出版社)のところに原稿と校正刷を受け取りに行きます.作業方針や締切を確認して,あとは持ち帰って自宅で作業をします.決まった勤務時間はないですが,締切までの時間配分を考えて,計画的に仕事を進める必要があります.
一字につきいくら,一頁につきいくら,一冊につきいくらなど,報酬の単位と額はさまざまです.クライアントによってもかなり差がありますが,経験の浅いうちは時給1,000円程度を見込むほうが確実です.しかし経験を積めば時給2,500円を超えることもあります.
校正がどんなものか知りたい,受講を決める前に一度体験してみたいということでしたら,まずは「校正1日教室」にご参加ください.簡単な校正作業を体験していただくほか,コースの内容などのご説明もいたします.参加後の申込には割引制度もあります.
筆記用具としては,赤ペン・青鉛筆・鉛筆の使い勝手のよいものを用意してください.また文字の大きさなどを測るスケールも必要です.あと必要なのは,調べものをするための道具です.辞書や資料としての本,また現在はインターネットも重要なツールです.
PCや専門ソフトの普及,印刷環境の変化などで,出版の工程もどんどん変わっていますが,誤植の起こる可能性は常にあります.インターネットなどでより人の目に触れる文字が多くなった今,高い品質を保証できる確かな校正作業は,さらに重要になっています.
校正技能検定は,校正に関する唯一の一般に開かれた試験です.学習課程の修了証明以上の意味がありますので,他校の修了生が受験されることもあります.コースの修了から技能認定,就職サポートまでが充実しているのが当スクールの特徴といえます.
通学のコースでは,学習の一定の段階を終えたところで試験日を迎えられるようになっています.通信のコースは試験日の受講期間プラス1ヵ月前から始めればちょうどよいとはいえますが,学習の速度を調節して,試験に合わせて短期に修了することも可能です.
どちらも初めての方むけの内容から始まりますが,校正コースのほうが月々の課題数も多く,校正する文章の内容も多様です.校正者として専門的に仕事をしていくためには,校正コースでより多くの実習をこなし,経験を積んでおくことをお薦めいたします.
最近では,校正の前段階の作業である原稿編集も校正者が行うことが増えています.また,校正刷がどのように作られたかを知っていれば,点検するポイントがよくわかります.校正を中心に,原稿編集やDTPについても勉強されると,仕事の幅も広がります.
校正技能検定〈中級〉試験合格者の親睦団体である「日本校正者クラブ」は日本各地に300名を超える会員を擁しています.勉強会や情報交換のほか,クラブのサイトを利用してクライアントを募るシステムの運営なども行われています.

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